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運動会特集①

-棒巻き-

運動会で高2、高3が出場する「棒倒し」。その圧巻の迫力は、まさに運動会の花形種目です。今回は、その棒倒しを影から支える「棒巻き」という作業を取材してきました。

「棒巻き」ってなに?

運動会当日、棒倒しを観戦していると、競技に使用している棒には体育館マットのような布が巻きつけられていることがわかります。「棒巻き」とは、裸の状態の木に布を巻きつけ、競技を安全に行えるようにするための作業です。俵取りで使用する「俵」など、運動会の競技用具の作成を行っている演技準備係主導で行われます。
 一見すると棒に布を巻きつけるだけの、簡単な作業のようですが、実際は正確さが求められる繊細な作業です。今回は、この棒巻きの行程を見て行きましょう!

布を巻く前の棒

布を水浸しに

まずはじめに、布を水で濡らして行きます。
 いきなり不思議な作業のようですが、これにも重要な意味があるんです。
ただ布を巻いただけだと、どうしても空気の隙間ができ、ゆるい巻き方になってしまいます。こうなってしまうと、隙間ができ、競技中にプレイヤーの指などが入ってしまい危険です。
 そこで、布をあらかじめ水で濡らしておくことで、密着した状態で巻きつけ、その後乾かすことで空気の入っていない、きつい巻き方の棒にできる、という訳なのです。
 水で濡らす際は、上から足で踏みつけたり、ローラーで押し付けたりするのですが、まだ冷える3月にやるので大変です。

上から足で踏みながら、
布に水を含ませる

棒巻きの生命線、スズランテープ

次に、これから布を巻きつける木の棒にスズランテープをつけ、テープでしっかりと固定します。スズランテープは引っ張った状態で布と一緒に巻きつけ、最後に布を強く固定する役割を持っています。
 これが切れてしまうと作業が1からやり直しになってしまう、とても重要なものです。

スズランテープを十分な長さとり、引っ張る

声を合わせて棒を巻く

いよいよ、布を巻きつける作業になります。密着させながら巻きつけることが求められるこの作業では、少し変わった巻き方をします。
 まず、演準の委員が棒に巻きつける布の上に「ノリ」「膝ツッコミ」として乗ります。これが重石の代わりになり、巻くスピードが早くなりすぎて、巻きがなおざりになってしまうことを防ぎます。濡れた布の上に足をつくので、短い時間で交代を繰り返していきます。

高3が棒を押し、布を巻きつけていく

 棒を回転させていくのは、高3の役割です。各組で1本ずつの棒を担当し、競技や練習で使う棒を作成していきます。上には「ノリ」と「膝ツッコミ」で計6人の生徒が乗った状態で巻いていくので、かなりの力が必要です。「棒巻くよーせーのっそーれっ」という掛け声にあわせて作業を進めます。

「ノリ」(左)と「膝ツッコミ」(右)

さて、どんなに力を加えて抑えていても、どうしても布が緩んできてしまうことがあります。
 そんな時はつっかえ棒の出番です。長い棒をテコの原理で押し付けて、棒の巻き加減を調整していきます。演準の生徒による、絶妙な調節が行われていくのです。

つっかえ棒で巻き加減を調整する

ラストスパート

平均2時間ほどで巻きつけの作業が終わると、いよいよ最後の仕上げ、布に巻き込んできたスズランテープで、布をしっかりと縛り付けます。
 結び方も演準に伝わる特殊なもので、これによって、これから数ヶ月間、練習や実戦に耐えうる丈夫な棒が完成するのです。

最後まで気を緩めず、縛っていく

巻き加減をしっかり確認する

倒される棒にも、注目して

こうして、棒倒しに使われる棒が完成します。1本を作るのにもかなりの時間と労力が掛けられているということ、わかっていただけたかと思います。しかしこれは、僕たちが行っている運動会準備のほんの一端にすぎません。この他にも、様々な組織、様々な生徒が、運動会の成功に向けて、いろいろな準備を行っているのです。

巻き上がった棒

たった1日の運動会のためにここまでできるのは、ひとえに運動会への思いあってこそ。競技だけでなく、たくさんの生徒に活躍の場がある開成の運動会ならではの熱気がそこにはあります。
 運動会当日の熱気だけでなく、その1日に込められたキモチを、少しでも感じていただき、また、楽しんでいただけたらと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。