競技紹介

馬上鉢巻取り

全員が騎馬を組み終えて、スタートライン上にずらりと8騎馬が勢揃いする時、騎馬を1つ選び、その騎馬が試合中どう戦っていくのか、追いかけながら見ていくとより一層楽しめます。

競技概要

開成の運動会は初めて、そんな中1の競技が馬上鉢巻取り、通称馬鉢。小学校の運動会で、騎馬を組み紅白帽を取りあった経験のある人もいるのではないでしょうか。

とはいえ馬鉢は紅白帽取りの単なる派生形ではありません。運動会の競技としてルールを大幅に変えることなく、同じ形態で行われてきた馬鉢。何十年もルールが変化しなかったのには、それだけの理由があります。

鉢巻を取られた騎馬が負け、フィールドの外に押し出された騎馬が負け、騎馬が崩れて騎乗が騎馬から落ちたら負け。シンプルな競技性と、突き詰められた安全性。それらが極まったのが、この馬鉢というスポーツなのです。

ポジション

・騎乗騎馬に乗っている。相手の鉢巻を狙ってのせめぎ合いが仕事。絶対的に強い騎乗は、どんな騎乗と戦っても勝つことが出来る。

・後押しサイドの後ろに密着している。後押しはいる騎馬といない騎馬があるが、後押しがいる方が騎乗の安定感がグっと高まる。

・サイド心棒の後ろに密着している2人組。心棒と手を組んで、騎乗の足を支えている。2人の息と身長が合っていることが重要。

・心棒騎馬の一番前にいる。ずっしりとした体型でガッツがある人が選ばれる。敵の騎馬とぶつかるときに、いかに相手に衝撃を与えられるかが見せどころ。

対戦表・得点表

馬鉢における強さとは?

いわゆる「強い騎馬」は、圧倒的な支配力で次々と騎馬を倒していきます。1試合の中で、1騎馬が 4騎馬を倒すといった事は良く起こります。しかし、そんな強い騎馬が組の勝利に直結する訳ではありません。重要なのが、相手の騎馬の方が強かった場合に耐久する技術です。

押す力の強い騎馬に対しては、押しながら回ることによって相手の押しを受け流す「ローリング」、騎乗が強い騎馬に対しては、鉢巻の結び目を完全に両手で覆いうずくまる「亀」などが有効です。

馬鉢をご覧になるときは、その騎馬が攻め、守り、はたまたどちらも行っているのか、その役割を想像するとまた違った一面が見えてくるでしょう。

綱取り

綱取りを綱引きのようなものと捉える人もいますが、実際は異なります。闇雲に動かされているようにみえる綱にも、必ず練り込まれた作戦と個々の巧みな技があるはずです。大きく動く綱の姿に圧倒されること間違いなし。是非、綱の動きに注目してみて下さい。

競技概要

綱取りは、フィールド上に配置された10mの綱5本を「取り合う」競技です。綱引きと異なり「押す」ことも「引く」こともできるので、単なる力勝負に留まらない戦略的で激しい試合が展開されます。競技者のパワーやスピードだけでなく、試合を客観的に見て動く冷静さや状況判断能力などがその組の勝敗を決します。

5本の綱を出来るだけ多く自陣側へ持ってくることが目標です。高3が声を出している付近まで綱が来て「エンドライン」を越えるとK.O. となります。競技者は自分の綱がK.O.となったら他の綱に加勢しにいきます。

本部側(テントがある方)から鏡側へ1番綱、2番綱...5番綱と名前がついています。そしてその綱に追従するよう、競技者が皆スタートラインへと整列します。

戦術

・連綱足の速い競技者が綱の重なっている場所へ駆け込み、重なった 2 本の綱をまとめて取り、それを複数箇所で行うことで、複数の綱を一体的に動かします。ガタイを活かせる非常に攻撃力のある戦術です。

・縦綱試合開始時に横向きにおいてある綱を縦に回転させて「綱引き」のような形にする作戦です。

・中央集中中央集中は強靭な人を綱の中央に集め、力で綱を動かすという基本の作戦です。

・V字綱V字綱はそれに対抗するため綱の両端に人を集め、V字になるように中央へ綱を動かします。それによって、綱の中央に固まっている敵の居場所を減らして押しにくいようにします。

ポジション

・白ヘギアセンター、ウイング、セカンドなどに細分化され、主に綱を自陣へ運ぶことを仕事とする。相手競技者を掴んで引っ張り、綱から離す「はがし」という行為が禁止である。また、試合開始50秒経過後に他の綱へ移動することも認められていない。

・黒ヘギアビハインダーと呼ばれ、試合全体を俯瞰し、臨機応変に対応することが求められる。「はがし」と、試合開始50秒後以降も他の綱へ移動することが可能である。

対戦表・得点表

放棄について

綱がフィールドの端を完全に越えると放棄になります。放棄になった綱は、一部の例外を除き、勝敗には影響しません。

放棄の存在は綱取りという競技をさらに面白くしています。放棄をするタイミング、目的は様々です。相手に K.O. されそうになった場合に放棄することもあれば、相手が強い場合や早めに救援したい場合などに最初から狙って放棄することもあります。

いずれにせよ、奇襲的にフィールドの外へ綱が動いていく様子は圧巻です。

俵取り

力を「剛」とすれば俵取りの要は「柔」。各組が考え抜いてきた作戦、競技者たちの培ってきた技術と柔軟な動きがフィールド上で光ります。

競技概要

俵取りとは、フィールド上に並んだ11個の俵をなるべく自分の組の側に持ってくる競技です。試合開始の号砲とともに、フィールドの両側のライン上に並んでいる競技者が俵を目指して一斉に走り出します。

試合中は、競技者が練習で培ってきた技術が際立ちます。100kg近くの俵をからだ全体を使って押す「押し」、左右で息を合わせて転がす「引き」、そうはさせないと間に入って食い止める「守備」、その守備を剥がして転がす手助けをする「剥がし」など、競技者の役割はさまざまです。

勝敗

俵取りには K.O. というものがあります。真上から見て俵がフィールド上の定められた K.O. ラインを完全に越えたとき、その俵は K.O. になります。競技者はこの K.O. の数を争います。

K.O. の数がどちらの組も同じときは、俵がフィールド上のどこにあるかによって(図参照)どちらかの組に与えられるポイントの合計で勝敗を決めます。

ポイントも同じときは(滅多にありませんが)、センターライン(中央のライン)を越えた俵の数で勝敗を決めます。

対戦表・得点表

朝一土下座について

俵取りは運動会の第一競技であるため、その勝敗はその一日の組の気運を左右するとも言われるくらい大事なものになっています。

運動会では負けると自分の組に土下座するという習慣があり、特に1回戦の第1試合で負けた組は、運動会の1日の中で一番最初に土下座することになるため、「朝一土下座」と称され注目されます。

はたして「朝一土下座」を逃れるのはどちらの組になるのでしょうか。両組の健闘を祈ります。

騎馬戦

試合開始から試合終了まで、目の前の敵と戦い続ける騎馬戦。倒すか倒されるかの瀬戸際での戦いの迫力は桁違いです。中1の頃から馬力が何倍にも上がった騎馬で激突する力強い高1をご覧ください。

競技概要

騎馬戦は騎馬が長い距離を走って勢いよく衝突して試合が開始し、その後試合時間いっぱい、近くにいる騎馬と当たり合い、最終的にどちらの組がより多く生き残ったかで勝敗が決まります。

相手騎を倒すには騎乗を地面に付けるか、騎馬をフィールド外に押し出すしかありません。騎馬にはパワーで相手を押し切る大将騎や、ベッドという防御の技を用いて耐久するベッド騎、小回りが利く四人騎などがあり、大将騎同士の迫力満点のぶつかり合いも魅力的ですが、そのような騎馬の攻撃をベッド騎、四人騎がどのようにして凌ぐのかも見どころ。

2対1の状況を作り出すなど、作戦を練る高3指導陣の采配も勝敗に大きく関わってきます。

ポジション

・騎乗相手の騎乗と戦い、騎馬全体に指示を出す。なにがなんでも振り落とされないための運動神経や、とっさの判断力が求められる。

・後押しサイドのサポートや、ベッドをするポジション。ベッドの成否は後押しに懸かっているため、練習で培った技術を本番で発揮できるかが試される。

・サイド騎乗を支えるとともに、相手騎を押すポジション。騎乗を支えながら走り回ったり押したりするため、試合を通じて闘い続ける体力が必要。

・心棒相手の騎馬と接触して押すポジション。とにかく相手を押して騎馬を崩壊させるパワーと気迫が重要。

対戦表・得点表

ベッド・レアードとは?

ベッドとは、「騎馬が後ろに倒れ込むと同時に後押しが寝て、その上に騎乗を抱えること」です。相手騎の押しや、騎乗の攻撃に耐え続けることができます。

レアードとは、「心棒が倒れて相手騎馬と自騎馬のサイドとのスペースを作って相手騎馬のバランスを崩し、騎馬へ攻撃すること」です。相手騎の勢いを利用して攻撃に転ずることができ、その完成度に注目です。

棒倒し

一本の棒を巡り、熱き漢たちによる激しい戦闘が繰り広げられます。意地と力のぶつかり合いをとくとご覧ください。

競技概要

棒倒しのポジションは大きく分けると二つ。棒を倒す攻撃と棒を守る守備。

攻撃は棒に乗って倒すことを目指すだけではなく、相手の守備を妨害したり棒に乗るのを援助したりと様々な役割で構成され各々が自らの役割を全うします。

守備は劣勢となり棒が傾くと「肩入れ」と呼ばれる棒を肩で支える状態を取ります。この戦術が成功すると守備が耐えている間に攻撃が棒を倒し勝利する形勢逆転を狙うことが出来ます。

肩入れは体力消耗も激しいきついものですが守備は攻撃を信じて耐え続けるお互いの絆、そして最後の最後まで勝負が分からない緊張感は最高の歓楽を与えてくれるでしょう。

ポジション

《攻撃》服装:黒ヘギア・上裸棒を倒すことが使命である。棒に直接乗って倒す「ノリ」、ノリが棒に乗れるように持ち上げたり、棒に乗っているノリを引くことなどにより棒を倒すことに貢献する「サポ」に分かれる。

《立衣》服装:白ヘギア・組T棒に向かって立ち、張り付いて棒を支える。

《座衣》服装:白ヘギア・運動着外から視認することは難しいが棒の下部で棒に抱きついて支える。まさに縁の下の力持ちである。

《サード》服装:灰ヘギア・組T棒の近くで棒に乗ろうとしている攻撃に対して妨害を行い、棒を守るポジション。

《LD》服装:灰ヘギア・組T・ゼッケン棒の近くで棒に乗っている攻撃に対して妨害行為を行う。サードと異なり、棒に乗っている攻撃を剥がすことが出来るのが特徴である。

《ライン》服装:白ヘギア・組T棒の周りで腕を組んで棒を支えている。かなりのハードワークだが棒を守り抜いた時の達成感は計り知れない。

《遊撃》服装:灰ヘギア・運動着相手の攻撃のキーパーソンを捕まえ、棒に近寄らせないように拘束する「マーカー」と攻撃のサポを押さえつける「ゾーン」に分かれている。

対戦表・得点表

高2棒倒し

高3棒倒し

肩入れについて

棒倒しには棒が倒れそうになったとき、守備が肩に棒を乗せて支える「肩入れ」という戦術があります。

この肩入れの成功はかなり難しいものの、成功すると簡単には棒が倒れなくなる、かなり強力な戦術です。過去には棒を自ら倒し肩入れをする奇策を用いた組が優勝したこともあり、現在は棒が倒れそうになった時以外に肩入れを行うことは禁止となりました。

リレー・要領次第

リレー・要領次第

リレー

リレーには、学年別リレー、スウェーデンリレー、全学年リレーの三種類の種目があります。

学年別リレーでは、中学生の各学年4人の選手が1人1周ずつ、走ります。

スウェーデンリレーでは、高校生の各学年4人の選手が第1走者は1周、第2走者は2周、第3走者は3周、第4走者は4周というように走者ごとに周回数を増やして走っていきます。1910年代のスウェーデンで行われた形式であるのが名前の由来です。周回数が多い分、逆転のチャンスも十分にあります。

全学年リレーでは、各学年から1人ずつ、計6人の選手が走り、中1→中2→中3→高1→高2→高3の順番でバトンを渡していきます。最終競技で得点が高く、大変盛り上がります。

要領次第

要領次第では、ムカデ競争、出前競争、たすき結び競争の三種目の各競技1周ずつ計3周を2レース行い、中1から8~16人、中2・中3から各4人の選手が出場します。

ムカデ競走では、中学 1年生が4人1組となり、足が2本のひもで縛られた状態で、ムカデのように足を動かします。4人の息を合わせ、1歩1歩踏みしめて進んでいきます。半周で組を交代します。

出前競走では、中学2年生が2人1組で3本のペットボトルを板の上に載せて運びます。ペットボトルを落とさないように気をつけながら、かなりのスピードで駆け抜けていきます。半周でペアを交代します。

たすき結び競走では、中学3年生が4人1組で騎馬を組んで、紐の吊り下がっているところまで走っていきます。騎馬の上に乗っている人のたすきを紐に結ぶ技術が試されます。

対戦表・得点表

学年別リレー(中学個人)

スウェーデンリレー(高校個人)

全学年リレー(中高個人)

要領次第(中学個人)